
布団アレルギーの原因(ダニ・ハウスダスト・カビ)を国内外の研究を交えて解説します。症状の原因と自宅でできる対策など、詳しくお伝えしていますので、ぜひチェックしてみてください。
「朝だけくしゃみ・鼻水がひどい」「布団に入ると咳が出る」――こうした症状は、布団や寝具に含まれるアレルゲンが関係している可能性があります。実際に研究では、寝室アレルゲン(特にダニ・カビ)が室内環境や呼吸器症状と関連することが示されています。Bedroom Allergen Exposure Beyond House Dust Mites
アレルギーというと花粉や食物アレルギーが注目されがちですが、実は普段何気なく生活している中でも注意するべきことが多いといわれており、その中でも特に注意したいのが、寝具なのです。
アレルギーは世界的に見ても、ヒトへの悪影響や生産性の低下などが問題視されており、さまざまな研究が進められています。その中でも寝具はアレルギーの原因/悪化の大きな要因とされています。
2016年にアレルギー専門誌で発表された研究でも、寝具(マットレス・枕・布団)はハウスダストやダニアレルゲンの主要な供給源であり、長時間接触による曝露が呼吸器症状と関連することが示されています。Environmental assessment and exposure control of dust mites: a practice parameter

また、ダニアレルゲン回避のためにマットレスカバーを清潔に保ったり、布団を清潔に保つことは寝具中のアレルゲン量を減らし、症状改善につながる可能性があるとの報告もあります。Results of a field study on the influence of HygienicWood mattress toppers on the number of mites in bed dust and the state of health of people with house dust mite allergies
日本の研究では、寝室や寝具のダニ数と鼻アレルギー症状に関連が示唆されています。布団や寝具に多く含まれるダニ・ハウスダストが、アレルギー反応に関与している可能性があるといわれています。J-Stage:寝具のダニ数とダニ鼻アレルギーの臨床症状とその対策
さらに、東京近隣の住宅調査でも、床や寝具にダニやカビが含まれることが確認されています。
アレルギー対策というと「掃除」や「換気」が思い浮かびがちですが、実は寝具ごとに適した対策方法は異なります。
ここでは、毎日使う寝具を種類別に分けて、
アレルゲン(ダニ・ハウスダスト・カビ)をためにくくするポイントを整理します。

掛け布団は体に直接触れる時間が長く、汗や皮脂、ホコリが内部に入り込みやすい寝具です。
自宅でできる基本的な対策としては、「湿気を残さないこと」と「表面のホコリを減らすこと」が重要になります。
まず、天候の良い日に干して湿気を飛ばします。夕方まで干してしまうと、逆に湿気が入ってしまうので、日中に完了するようにしましょう。
また、コインランドリーなどで布団を洗濯するのもおすすめです。ただし、布団の中心部がなかなか乾かずにカビなどの原因になる恐れもあるため、乾燥機は少し長めに回すのがベター。
干したり、洗った後はそのまま収納せず、布団用ノズルなどで表面を軽く掃除機がけをすると、
干すことで浮き出たホコリやダニ由来のアレルゲンを除去しやすくなります。
また、掛け布団カバーは必ず使用し、週1回程度の洗濯と完全乾燥を心がけることで、布団本体への汚れの蓄積を抑えることができます。
敷布団は、体重がかかる分、汗や湿気が最もたまりやすい寝具です。
特に床に直接敷いている場合、床からの湿気の影響も受けやすく、ダニやカビが増えやすい環境になりがちです。自宅でできる対策としては、使用後すぐに畳まず、朝に湿気を逃がす時間をつくることが基本です。
可能であれば、
などを敷布団の下に使うことで、湿気の滞留を防ぎやすくなります。
また、定期的に布団を立てかけたり、布団乾燥機を使って内部まで乾燥させることも、アレルゲンが増えにくい環境づくりにつながります。

マットレスは、家庭で洗えないことが多く、アレルゲンが蓄積しやすい寝具のひとつです。
そのため、日常的な対策では「湿気対策」と「表面管理」が中心になります。
まず、マットレスの上には必ず
を重ねて使用し、これらを定期的に洗濯することで、マットレス本体への汚れの侵入を防ぎます。
また、週に1回程度、シーツを外した状態で風を通すだけでも、湿気がこもりにくくなります。
可能であれば、マットレスを立てかけて陰干しすることで、内部の湿気対策にもなります。

シーツやカバー類は、最もアレルゲン対策の効果が出やすいポイントです。
直接肌に触れるため、汗・皮脂・フケなどが付着しやすく、それがダニのエサになることがあります。
理想的なのは、週1回程度の洗濯+しっかり乾燥です。
洗濯後に生乾きの状態で使うと、湿気が残り、逆にカビの原因になることもあるため、必ず完全に乾かしてから使用します。
また、防ダニ加工や高密度繊維のカバーを使うことで、布団内部からのアレルゲンの漏れを抑える効果も期待できます。
枕は顔や鼻に最も近いため、アレルギー症状への影響が出やすい寝具です。
自宅でできる対策としては、まず枕カバーをこまめに洗うことが基本です。汗や皮脂が付きやすいため、シーツより頻度を高めるのも一つの方法です。
枕本体については、洗濯可能な素材であれば定期的に洗い、洗えない場合でも、天日干しや布団乾燥機で湿気を取り除くことが大切です。
また、枕の内部に湿気や汚れがたまりやすいため、長年使用している枕は、アレルギー症状が続く場合に見直しを検討してもよいポイントです。

ここまで紹介してきた方法は、あくまでもダニ・ハウスダスト・カビといったアレルゲンを「増やさない」「表面から減らす」ための対策です。
一方で、家庭でのケアには寝具の構造的に難しい点もあります。
布団やマットレスは厚みがあり、汗・皮脂・ホコリが内部まで入り込みやすい寝具です。天日干しや布団乾燥機では湿気を飛ばすことはできますが、中綿や奥に蓄積した汚れやアレルゲンを取り除くことは困難なのです。
特に次のような点は、家庭でのケアでは対応しきれません。
これらは、「干す」「乾燥させる」「表面を掃除する」といった方法では根本的な除去が難しい部分です。
また、ランドリーの洗濯機では布団の素材や厚みによっては洗えなかったり、十分に乾燥させられず、
かえって湿気を残してしまうリスクもあります。部分的な汚れなどを落とすのも機械だけでは難しい場合が多いです。
そのため、寝具環境をよりリセットしたい場合には、内部まで洗浄・乾燥できる方法が必要になります。
布団クリーニングなどの専門的なケアは、家庭では届かない部分まで水洗いし、しっかり乾燥させることで、アレルゲンがたまりにくい状態に整えることを目的としています。
治療や医療行為ではありませんが、寝具環境そのものを見直す一つの手段として、選択される理由がここにあります。

朝のくしゃみや鼻水、寝室で悪化するアレルギー症状は、体質だけでなく、布団や寝具にたまりやすいアレルゲンが影響していることがあります。
布団や寝具には、ダニ由来のアレルゲン、ハウスダスト、湿気によるカビなどが蓄積しやすく、寝ている間に長時間接触・吸入することで、症状につながるケースもあります。
アレルギー症状を感じたときは、「体質だから仕方ない」と決めつける前に、毎日使っている寝具環境を一度見直してみることも選択肢にしてみてください。